ハンセン病患者隔離政策の粗相を斬る(2004.3.22)
もう随分前になるが、昨年の11月、元ハンセン病患者が、
黒川温泉のホテルから宿泊拒否を受けた事件を記憶しておられる方は多いと思う。
ホテル側は、「他のお客様に迷惑がかかる」つまり、他のお客が嫌がる、という理由で宿泊を拒否したのだが、
これに対して、国立ハンセン病療養所「菊池恵楓園」(合志町)の入所者自治会は、文書にてホテルの意図を質した。
ホテルの責任者は、「会社のルールでお断りするようになっており、本社(東京)からの指示だった」と回答。
その後、ホテル責任者が直接菊池恵楓園に出向き、説明と陳謝をすることになった。
当日ホテルの責任者は、「本社からの指示ではなく、責任者である自分の判断」と前言を撤回。
これを不服とした菊池恵楓園側は、ホテル側からの謝罪文の受け取りを拒否した。
謝罪文を受け取らなかった元ハンセン病患者たちに、今度は全国から、彼らを中傷する意見が相次いだ。
国のお金で面倒を見てもらっているのに生意気だ、とか、
酷いのになると、
あなたたちは外見だけでなく、心の中も醜いのですね・・・。
こんな手紙や、
園を焼き払うぞ。
と言った電話もかかってきたらしい。
事の顛末をきちんと把握していれば、このような中傷はなかったかもしれないが、
それにしても酷すぎる。
俺は言葉を失ってしまった。
結局、その後県から営業停止処分を受け、最終的にはこのホテルは自ら休館する道を選んだ。
元患者と同じホテルに宿泊することに関して、嫌な思いをする客がいるかもしれない。
そしてもしそんな客がいるとしたら、ホテルが取った判断にも一万分の一理くらいはあったかもしれない。
しかし、元ハンセン病患者には、もとより何の罪もないのだ。
かつてハンセン病患者たちは国の徹底した隔離政策下に置かれた。
患者を出した家族さえ、周囲の差別を受け、故郷を追われた人たちも随分多い。
国の隔離政策は90年続き、そしてその間、患者やその家族に対する差別意識を生み続ける、
根幹的な役割を果たしてきた。
しかし、この世界でも異例な隔離政策は、
2年前に熊本地裁が、ハンセン病国家賠償訴訟において国の責任を認めている。
そして、国はこの判決を受けて、控訴を見送った。
つまり、ハンセン病患者を隔離したのは、
いやもっと言うと、ハンセン病患者に被差別意識を植え付け、
そしてそれ以上に、国民に差別意識を植え付けてきたのは、
国の大変大きな罪だった、ということが公に明らかになったということだ。
繰り返すが、これは2年以上も前の話だ。
90年にわたって、間違った差別意識を国民に植え付け続け、
それが誤りだったと明快になってからも、
あなたたちは外見だけでなく、心の中も醜いのですね・・・。
とか、
園を焼き払うぞ。
いう国民がいるという状況を放置し続ける。
いわれのない差別をされる側の人間はもちろん被害者なのだが、
いわれのない差別をするように強いられる人間も、ある意味被害者だと俺は思う。
そして、そういう状況を放置し続けてきた、日本と言う国。
隔離政策は確かに今の代議士、官僚たちの責任ではないかもしれない。
しかし、そんなことは元患者たちにはどうでもいいことなのだ。
ハンセン病に関する知識をもっと国民が持てるよう、
国は早急にいろんな施策を展開していく必要があると俺は思う。
かつて、狂牛病が騒がれた時、
わが国の牛肉は安全です、と言わんばかりに、
マスコミの前で焼肉を食っては喜んでいた奴らがいた。
なら。
これくらいのこと、簡単なことやろ。
このたび、厚生労働大臣が中心となって、
病気に対する知識を深めるためのポスター制作が始まりました!
大臣、

服は脱いでも大丈夫ですから・・・。
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