自動回転扉事故の粗相を斬る(2004.4.8)



去年の11月、新しい事業の打ち合わせをしたい、と旧知の御仁から連絡があり、

俺は、久しぶりに上京した。

打ち合わせ場所は、六本木ヒルズにある森タワーの49階。

新名所ということで、俺は勇んで正面入り口に向かったのだが、

そこで少々たじろいでしまった。



つい先日、6歳の男の子が死亡するという悲しい事故があった回転扉。



決して茶化すわけではないのだが、さながら、





こんな感じで、ドアの中に入るのにタイミングが非常に難しかった記憶がある。



大きな扉が静かに、しかも高速でサァーッ、サァーッと回ってくる。

広島では滅多にお会いできない代物だから、

都会の人は随分と俊敏やな、

エスカレータでさえ戸惑う俺のお袋にはとても無理やな、


と、思ったものなんだが。



本当に痛ましい事故だった。

目の前でわが子が圧殺されるのをただただ見ているしかなかった母親のことを思うと

本当に胸が痛む。



それにしても、事故が発生して既に2週間近くになろうとしているのに、

未だにメーカー側の三和タジマと森ビルとが責任の擦り付け合いを続けている様子だ。

技術的なことに関しては素人の森ビルに、プロとしてのアドバイスを怠った三和タジマ。

技術的なことはお任せで、センサーの死角や感知後も慣性で25cmも動作し続けることを知らなかった森ビル。

発注者側が立ち会って完成検査をしたはずだが、どうせろくに確認もせず、

接待で一杯やって、これからもよろしく、で終わったのだろう。

きちんと確認していたら、感知後25cmも動く扉を承認するなど、まず考えられない。



メーカー側と使用者側とでこのような言い争いになるのは決して珍しいことではないのだが、

やはり一番追求すべきは、同様の事故が32件も起きていた、と言うことだろう。

危険だとは知りながら、まさか死亡事故など・・・と高をくくっていたに違いない。

さらに、業務効率を上げるために、センサーの感度を下げていたという事実も決して見逃してはならないだろう。



危ないと気づきながら・・・それを安易に見て、結局それが大事故につながる、というケースは意外と多い。

東電の原発事故然り、浅田農産の鳥インフルエンザ然り。

結局、関係者の判断にゆだねると、利害と言うものが安全を駆逐してしまう。



そうならないように、









法律というものがあるのだが・・・。



人を殺せる設備に安全基準がないとはこれ如何に?

安全性を確保するならば、例えば、

回転する速度の上限を設けたり、

感知後の制動距離を定めたり、

使用可能なセンサーを特定したり・・・。



はっきり言うが、今回問題となっているセンサーなど、

ババァの乳首ほどの感度もない。

センサーと言うのもおこがましいような代物だ。



安全工学には、フェールセーフ思想を初め、

安全に対する色んな考え方、取り組み方があるが、

今回のような扉に関しては、やはり頭を挟もうとしても、決して挟むことができない、

そういう設計思想が必要だった要に思う。

扉と壁と間に隙間を設け、そこだけエアカーテンにするという発想もありではなかろうか。

防犯上の問題は、安全の二の次として、だが。



さて。



今日現在、数百台規模で大型回転扉が使用禁止の状態になっているらしい。

今回の原因究明ならびに安全対策、

さらには、国土交通省のきちんとした法整備が行われない限り、



いつまでも、



こういった状態が続くであろう。






都合により、しばらくの間、

































回転休業いたします。


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