三菱ふそうリコール隠しの粗相を斬る(2004.5.10)
どこの家庭にもそれぞれ、その家庭なりの流儀と言うものがある。
俺の実家では漬物を食べる時につける醤油に味の素を入れるが、
これを他人に言うと「え?」というリアクションをされることが多い。
また俺の実家の卵かけご飯には、白味を入れないが、これをもったいないとする人も案外多い。
こういう食べ方は、親父かお袋、または両方の家系に代々伝わる食べ方である。
俺は、そういう食べ方が当たり前だと思っていたし、もちろん、
「卵かけご飯に白味を入れないとは何ごとぞ!」
と親父を諭したこともない。
良し悪しの判断ができないから、当たり前の話なんだが。
何の知識、経験もないまっさらの人間が、ある家庭環境に浸り、色んな経験を是として積んでいく。
そして、その学習や経験がいずれは人格形成の大きな部分を担うようになってしまう。
たいそうな言い方をすれば、家庭の文化と言っても良いだろう。
そして、こういった考え方は当然企業にも当てはめることができる。
いわゆる、企業文化という奴だ。
大学を卒業して企業に入る時というのは、生まれてすぐ家庭に入った状態と言えなくもない。
社会全体の流儀が全くわからないから、その企業の流儀を是として、どんどん吸収していく。
日立に入った人間は、昼休みに消灯したり、灰皿は水を入れて使うのが社会の常識だと思うようになっていく。
他の会社を知らないから、それが当たり前のことだと、どんどん刷り込まれていくのだ。
三菱ふそう、いや三菱グループにもそれなりの流儀、文化と言うものがあるはずだ。
初めから、人の命より、自社のブランド、自社の利益が優先すると考える奴が入社するわけではない。
今回逮捕された元会長も、入社した時点では案外常識をわきまえた好青年だったかもしれないのだ。
しかし、三菱の中で色んな経験をしていくうちに、
たかがタイヤが外れたくらいのことで、天下の大三菱が、
官庁や消費者にわびたり、こびたりする必要はないのだと言うことを学習してしまう。
やがてそれが常識、当たり前の意識になってしまう。
そしてこれが脈々と伝えられていくのだ。
三菱のタイヤ脱落事故は、既に1992年の時点で指摘されていたらしい。
その後、同様の事故が何件か続いたのだが、常に整備不良の姿勢を固辞し続けた。
やがて1999年に起きた高速道での脱タイヤ事故を契機に、
三菱社内でも構造欠陥に対する意識が高まり、色んな検証が行われたようだ。
そして、最終的には欠陥が立証されたのだが、
国土交通省には虚偽の報告を行い、横浜の事故につながってしまった。
わかりやすく言うと、三菱の中にある腐った企業文化というものが、
タイヤを介して人殺しをしてしまったということだ。
事態の重大さを真摯に受け止め、
心から反省している社員が一体どれほどいると言うのだろうか?
こういう企業の暴走を未然に防ぐため、行政が全力で歯止めをかけなければならないのだが、
国土交通省も片棒を担いだ、といわれても仕方ないくらいの不始末を犯している。
2年以上にわたって三菱にだまされ続けてきた・・・。
と、ある国土交通省の役員は語ったらしいが、
メーカーの報告を鵜呑みにするような意識レベルの低さ、
そして報告内容の真贋を評価できない技術レベルの低さ・・・
だけではなく。
読売新聞によると、
石川県内でタイヤ脱落事故を起こした運送会社が2002年3月、
国土交通省に「ハブに欠陥があるのではないか」と文書で指摘したのに、
省内の担当課までそれが届かず、ファイル内に放置されていた。
同省自動車交通局安全対策室には同年3月時点で、
各事業者から計約10通の報告書が集まっていたが、同室はこれを、
三菱と協議していた同局内の審査課には回さず、
記載内容を自ら調べることもないまま、ファイルに保管
していた、というのだ。
死傷者まで出し、世間があれほど騒いでいた時期に、
一体どういう神経をしているのだろうか?
要するに、
国土交通省の中にも怠慢病という省内風土が脈々と受け継がれている、
と言うことだ。
国土交通省は、これより三菱製の自動車購入を控えると発表したが、
今さら?
この程度のこと?
と、噴出す飯もないくらいだ。
何度も言うようだが、
行政は当てにならず、増してや、
消費者の利益など露ほども考えない大企業など信頼をおけるはずもなく。
やはり、自分たち自身が賢くなって、
身を守っていくしかないのだろうか?
気をつけないと、

タイヤの次は、
人殺しの道具
こいつが飛んでくるかもよ。
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