タイアップ本の粗相を斬る(2004.6.2)




以前どこかで書いたように、俺は29歳の時、某コンサルティング会社に転職した。

結局、そこには約7年ほど在籍したわけだが、

それまでいた業界の慣行と大きく異なる点があって、最初はかなり戸惑った記憶がある。



当たり前といえば、当たり前の話なのだが、コンサルティングという業界では、

お金をいただくお客様に対して決してへりくだってはいけないのだ。

経営指導するのは当然のことだが、、時には罵倒したり、怒声を上げたりしないといけないこともある。

お客様だからといって、経営者の意見や考え方に迎合し、それで失敗でもしようものなら、

コンサルタントとしての存在価値は一切なくなってしまうのだ。



そういう仕事の性質上、仕事の受注も他の業界とは若干異なる面がある。

いわゆる、揉み手すりすりの御用聞き営業が全く出来ないのだ。

受注段階から、臨時雇われ人という立場になってしまうと、

自分が正しいと思う意見も思い切って言えなくなる。

仕事が欲しいから、ついつい迎合、というパターンに陥ってしまう。



では、受注は一体どうするのか?



もちろん、コンサルタントだけあって、あの手、この手と色々あるのだが、

中でもよく使われていたのが、いわゆるブックマーケティングという奴だった。



新しい経営手法を開発し、これに関する本を上梓する。

もちろん、ネームバリューのある著名なコンサルタントが(一応)執筆ということになる。

本でなくても雑誌や新聞、専門誌でも構わない。

そして、思わず目を引き、耳に残るようなネーミングをし、

経営改善効果、経営者の声・・・などを本に盛り込んでいく。



この際、本の売り上げから入る著作権料など、全く問題ではない。

要は、話題になれば良いのだ。



そして、本の中には、アンケートはがきやセミナー開催案内のパンフレットが折り込まれている。

これに反応した読者が1次見込み客となり、読者優先のセミナーにどんどん引っ張られていく。

セミナーにはもちろんセミナー用のアンケート、無料診断申込書などがあり、

これに反応した読者が2次見込み客となっていくのだ。



こうして、個別攻略の糸口をつかみ、そして受注に結び付けていく・・・。

この間、一切へりくだったところはない。



活字にされたノウハウ、経験には真実味があり、そして何より説得力がある。



そして・・・。

今、このブックマーケティングを悪用する、不らちな業界が厚生労働省に目をつけられつつある。



共同通信によると、

厚生労働省は、健康食品で「がんが治った」などとうたっている本に健康食品販売業者の連絡先を掲載したのは、

誇大広告を禁じた健康増進法に抵触するとして、東京都内の出版社と販売業者数社に対し、

連絡先の削除などを求める行政指導をした。

(中略)

科学的根拠のはっきりしない健康食品で「病気が治った」と体験者が語る内容の出版物は多い。

今回は、出版社が販売業者の利益を図る目的で「タイアップ」という契約をし、

本を広告物として出版していたことが認定されたため、指導に踏み切った。




みんなも本屋の店頭でよく見かけると思うが、

メ○マ○ブで○○が治った、医者が見離したガンが○○で完治した、

など、センセーショナルな書名をつけた類の本だ。



健康食品などを
広告・販売する際に、その効能・効果をうたうことは薬事法で禁止されている。

しかし、本でこれをうたうということに関しては、ある面グレーな部分が残ってしまう。

さらに、次から次へと、オッサン・オバハンたちが登場し、「治った、治った」と騒ぎ立てれば、

信憑性は一気にに高まり、ついつい、「買ってみようかいの」となるのは自然の流れだろう。



そういう意識になったときに、ふと本に目を落とすと、

ご丁寧に販売元の連絡先が記載されている・・・。



巧妙というほどのレベルではないが、いわゆるこれがタイアップ本、という奴だ。



タイアップに、癒着という意味があったとは、俺も初めて知ったのだが。



ちなみにアマゾンで「治った」で検索すると150近くの書籍がリストアップされてくる。

さらに、その中でもよく目にした、管○光○という医学博士の著作群。


@水溶性アガリクスでガンを治す大百科―即効・消滅・完治!一番実績のあるアガリクスは何か 厳選124人の症例集

A
冬虫夏草エキスで肝臓ガン・肝炎が治った―最新バイオで強化された驚異の薬理作用

BC型肝炎還元型
うこん驚異の特効力

C
プロポリスでガンに克つ―免疫力を高める"ミツバチの贈り物"

D脳卒中・脳梗塞・心筋梗塞-血流障害が治った!50人の証言―
ミネラル濃縮液配合SOD様エキスが血流障害に効く!

E
メシマコブで末期ガンが消えた!!―ガンに効く奇跡のキノコ

F
桑葉エキスで糖尿病を完全克服!!―有効成分を凝縮・高濃度にした驚異の「桑葉」効果

G
苦瓜(バルサミーナ)が血糖値を下げた! 元気健康ブックス

H臨床医が実証した
ファイトエナジーの驚くべきガン治癒力―米国ガンセンターが注目した副作用のない天然抗ガン物質

Iガン・肝炎が治った!驚異の新成分「
NLグリコシド」―ウイルス性疾患やストレスによる免疫低下にも劇的効果

J免疫力・抵抗力を高める!「
酵素水」パワー―糖尿病・ガン・アトピー・リウマチへの恐るべき予防効果



そして、その多くが史○出版。

本が売れ、健康食品が売れると、著作権料と販売マージンがふところに入る仕組みなのだろう。

見事なまでのタイアップだ。



俺は飲み屋の姉ちゃんに四つ股かけて、節操のない男だと反省していたのだが、その必要もないようだ。



別に、管○光○博士を個人攻撃するつもりはなく、当然彼以外にも似たような方はたくさんいらっしゃるわけで。



こうもたくさん、いろんな健康食品がいろんな本で喧伝されると、買う方も困ってしまうだろう。



俺なら、タイアップなどとせこいことをせず、



困っている人のために、こんな本を出してやるのだが・・・。









厳選124人の症例集


















ガンに○○は全く効かなかった!


怒りに震える124人の声、声、声・・・「金返せ、こりゃー!」


シリーズ続々、刊行予定!


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