特定外来生物被害防止法の粗相を斬る(2005.01.09)
われわれ人間界においても、「食えない奴」という人種が存在するが、
魚の中にも「食えない魚」が存在する。
中でも代表的なのがブラックバスやブルーギルなどを初めとする外来種の魚。
味の面でもまずいらしいが、生態系の破壊王といった感じで、まさに存在そのものが「食えない魚」らしい。
魚の専門家ではないので詳しいことは知らないが、とにかく在来魚を食いまくっているようだ。
そんな悪魚の代名詞と言っても良いようなブラックバスをこれ以上野放しにしてはならないと、
環境省が中心となり、特定外来生物被害防止法に基づいて、
どの生物の輸入、移動を禁止するか検討を進めていたのだが・・・。
なんと、この悪魚の親玉ブラックバスが、その選定から外れたと言うのだ。
ブラックバスが日本から消えると困る人たちがいる、ということなるのだが・・・。
ブラックバスは、1925年に某実業家がカリフォルニア州から持ち帰り、
芦ノ湖に90匹ほど放流したのが始まりといわれている。
1930年代に入って、調子に乗ったこの実業家が山中湖など5箇所に放流し、
さらに1945年以降、ルアーフィッシングを楽しむ進駐軍が放流を加速したらしい。
以降、生息地は増える一方となるのだが、それでも1960年までは、
ブラックバスが生息する湖沼はわずかに8ヶ所だったらしい。
それが1988年時点で既に9738湖沼、147河川にまで拡がった。
食欲旺盛なブラックバスが、在来魚を食いつくし、
新たな餌を求めて・・・。
メダカ食いてぇ〜
自ら移動するわけもなく・・。
そう、バス釣りを楽しむ人が全国に広がれば、つまり、
釣り人口が増加すれば喜ぶ人が、人目を忍んでせっせと放流しているに違いない。
喜ぶ人・・・。
釣具メーカー、釣具店、釣り情報雑誌、地元の観光業者。
それと、俗にバスプロと呼ばれる賞金稼ぎたち・・・。
バス関連だけで年間数百億円程度の経済規模になるらしい。
裏を返すと、この人たちはブラックバスがいなくなると悲しくなるわけで、
その悲しい声を代表して、規制に反対したのが・・・。
財団法人日本釣振興会。
監督官庁は、水産庁、環境省、文部科学省。
理事には、役人OBたちも名を連ねている。
見え見えではないか。
財団法人日本釣振興会の公式ホームページには、
(財)日本釣振興会では、「釣りは基本的に、自然のあるがままの中で楽しむスポーツであり、レクリェーションである。
同時に、釣りは万物共有の財産である自然の中で楽しむ以上、その前提として、
釣り人の義務と責任を着実に果たしていかなければならない。」と考えております。
と、誇らしげに書かれている。
バスフィッシングは、自然のあるがままを踏みにじり、万物共有財産を破壊しながら行う天然釣堀だと思うのだが。
さらに、
『水辺の監視人』としての役割も直接・間接的に果たしてまいりました。
とも記載されているが、特定種以外の水生生物を知事の許可無く公共水面に放流することは、
漁業調整規則に反した立派な違法行為なのである。
放流の際、目撃者がいないかどうか、水辺の監視人をつとめていたのだろうか。
ま、日本釣振興協会が直接放流に手を下したかどうかは明らかではないが、
日本擬似餌釣連盟や、釣り愛好会のメンバーが組織的にバスを放流したという告白記事がある以上、
同じ穴のむじなと見られても別段不思議な話ではないだろう。
湖のガラパゴスと呼ばれる琵琶湖では、既に8種類の在来魚の確認ができなくなっているらしい。
年間漁獲高も最盛期の3億円から、今では数千万単位にまで激減していると聞く。
全てがブラックバスの影響とは言い切れないが、大きな要因になっているのは間違いないだろう。
バス釣りを楽しむ人の中には、そこまで深刻な背景に思いを寄せる人は少ないと思う。
俺もバス釣りを100%否定するわけではないが、自然を破壊してまで行うレクレーションに、
不健全さを感じるのを禁じえない。
いずれにしても、このままバス被害が拡大していけば、
さすがの環境省も、特定外来生物被害防止法にブラックバスを含めざるを得ない状態になるだろう。
それでも、闇の放流を繰り返す人たちに対しては、
こういう量刑しかないのではなかろうか・・・。
主文、被告を、
バス釣り3年の刑に処す。
朝から晩まで、一匹残らず捕獲のこと。
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