保護観察制度の粗相を斬る(2005.02.14)
裁判所で有罪判決が確定すると、
その罪の大きさによって、刑の執行を猶予されるものから、無期懲役あるいは死刑まで、
いわゆる量刑というものが決定される。
もちろん罪の大きいものほど刑期は長くなるわけだが、
不自由な空間に長期間収監して、懲らしめるのが主たる目的であり(私見)、
定められた期間をそこで過ごせば、真人間に更生されるかと言えば、当然そうではない。
極端な話、殺人を犯しても1年で更生する場合もあれば、
一生刑務所にいても、万引き癖の直らない奴もいるだろう。
だから、仮出所を決定する場合は、それなりのきちんとした見極めが必要となる。
有期刑の場合で刑期の1/3、無期刑の場合10年を経過し、
改悛の状があれば仮出所が許可される可能性があるのだが、
本当に改悛の状があるのかどうか、最大限の責任感、緊張感を持って判断しなければならない。
この見極めを誤ると、凶暴な野犬を野に放つことになってしまうのだ。
しかしながら、
仮出所中の再犯は日常的であり、殺人の再犯も国民全体の殺人率より4桁高い(犯罪白書より)。
というのが実情のようだ。
あまりに審査件数が多すぎて、事務的に処理せざるを得ないからなのか・・・。
それなら、仮出所制度をいっそのことなくしてしまうか、
仮出所中の管理を徹底的に厳しくする必要があるのだが。
昨年10月末時点で、
全国の仮出所者8270人のうち609人が不明
要するに日常的に犯罪を犯す人間が、誰の監視も受けず自由に歩き回っているのだ。
こういう身の毛もよだつような実態の中で、
安城市の幼児殺傷事件が起こってしまった。
犯人の氏家とかいう男も、行方不明の仮出所者の一人だったらしい。
仮出所を許可された人間は、
保護観察期間中、申請された「帰住予定地」への居住、
月1度の保護司らとの面接、
などが義務付けられている。
だから、保護観察所と連絡が取れなくなった不明者は「保護観察停止」となり、
発見次第「仮出所取り消し」そして、再収監ということになる。
ところが、不明者を探し出す手がかりは、ほとんどの場合ないらしい。
法務省保護局に言わせると、
人員が十分でない保護観察所による捜索には、限界がある
らしい。
一昨年に仮出所を取り消され、再収監された1035人のうち、
86.7%の897人が再犯者
という事実。
そして、人が足りないから、しようがないもんね。
と、開き直る法務省。
人が足りないから、ではなく、きちんとした管理体制が構築できるまで、
仮出所というシステムを中止する、というのがまともな考え方ではないか?
安城市で殺害された幼児は、頭から包丁が突き刺さり、
あごの近くにまで達していたと報道されているが・・・。
このようなことができる人間の、どこに「改悛の状」が有ると判断したのか、
またどうして行方不明になったまま、いつまでも放置され続けたのか・・・。
個人レベルの些細な問題点をあげつくろうのではなく、
法律というシステム全体の問題という立場から、問題点を徹底的に究明すべきであろう。
今回の安城市のケースは、法律にあるいは国に殺された、と言っても決して過言ではない。
さて、対策に関してであるが・・・。
やれ、チップを埋め込めとか、不明になったら埋め込んだ爆弾を爆発させろとか。
素敵なアイデアを見聞きするが、やはり更生、順応、
そして危険からの回避と言うことを考えると、仮出所者だけの隔離されたエリアを作るのが妥当ではなかろうか。
人生の2部リーグと言っても良いかもしれない。
そこは本土から遠く離れた南の島で、
セブンイレブンの店員も、タクシーの運転手も、そしてソープで働く姉ちゃんも、
みんな仮出所者。
殴る奴も、殴られる奴も、盗む奴も、盗まれる奴も、
みんな仮出所者。
何の違和感もなく、社会生活を営んでいる。
そして、定期的に保護監察局の人間が船で訪れる。
小さな桟橋には、きっとこう書いてあるに違いない。
ここは、
天国に一番遠い島
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