ニッポン放送株買占め騒動の粗相を斬る(2005.02.22)





日曜日の夕方。

サザエさんを見ながら、一家団欒の時を過ごすある家族。



ねぇお父さん、今度の家族旅行は絶対北海道にしようね。

北海道か。花子がそう言うのなら、そうするか。ハハハハ。


どこにでもありそうな、和やかな風景。



と、その時、急に背後から、


いえ、旅行は絶対に総合レジャーランドにすべきです。




振り返ると、裏口から勝手に上がりこんだのか、見たこともないガキが、

家族の一員どころか、家長にでもなった様子で得意の表情を浮かべている。



今回の騒動、表面的にはこんな感じなんだが、

フジサンケイグループとライブドアの裏で暗躍する組織が見え隠れしだすと、

ことはそう単純な話ではないような気がしてくる。



堀江社長のやり方と言うのは、確かに違法ではないが、

他人との協働を申し込む方法としてはあまりに幼稚、というのが当初の俺の見方だった。

少々荒っぽいが、新参、弱小者が同等以上の立場で物を言うには、これくらいの方法しかない、

と、腹を括ったんだろうと、見ていたのだが・・・。



テレビでの堀江社長の言動を見ているうちに、果たしてどこまで本気なんだろうかと思うようになってきた。

どうも通信と放送の融合、シナジーと言う割には具体像が全く見えてこないのだ。

新聞と提携すれば、ネット上でアンケートを取り、人気の高い記事の取り扱いを大きくするだとか言っているが、

そんな座敷芸者みたいなやり方で、新聞の主義主張はどう貫いていくのだろう?

放送メディアと組めば云々に関しても、著作権がらみで自由勝手にネット上で番組放映できるはずもなく。



どうも付け刃のイメージ論だけが上滑りしているような気がしてならない。

テレビ等に必要以上に露出している割には全然プレゼンができていないのだ。



そうこうしているうちに、資金提供していたリーマンブラザーズ証券が、

ライブドア株を空売りしたという情報が流されるようになってきた。

リーマン兄弟は800億円の資金提供をする代わりに、

株価の変動によって転換価格が変わってくる転換価額修正条項付転換社債を受け取っているのだが、

この転換価格・・・が曲者で、株価が下がれば下がるほど、リーマンの手元に入ってくる株式数は多くなる。

株を空売りすると後で買い戻す必要があるのだが、それには転換した株式をそのまま現物して充てれば良いわけで、

リーマン兄弟にはほぼ間違いなく多額の金が入り込んでくるようになるだろう。



もっとも、リーマン兄弟以外にリーマン兄弟とライブドアを結びつけるような役割を果した人間もいるだろうし、

ライブドアにニッポン放送の株を提供するよう暗躍した人間もいるだろう。

要するに、これらの黒幕(リーマンは表に出ているが)が、裏で絵を描き、

少々目立ちたがり屋のお兄さんが、操り人形として矢面に立たされた、と見るのが順当ではなかろうか。

東大と言えども、文学部出身で卒業後もIT一筋の人間に、

M&Aを中心としたファイナンスのシナリオを書ききることは簡単ではないはずだ。



リーマン兄弟にしては、もう十分うまい汁を吸い尽くしたし、これ以上の資金援助をすることはないだろう。

ライブドアが他のスポンサーを探しているかどうかは知らないが、四面楚歌の状態ではなかろうか。

いずれ、兵糧が尽きて・・・という最悪のシナリオも可能性としては低くないと思う。



俺は、堀江社長個人に関しては、「新聞を殺す」とか過激な発言が目立つものの、

根は純情で、控えめな青年ではないかと思っている。

要は、取り巻く連中の腹が黒いだけで、結局踊らされているというのが真実ではなかろうか。



ITに限った話ではないが、時の寵児としてまつりたてられた人間は、

往々にして、裏も表も知り尽くした連中の毒牙にかかるケースが多い。

古くはハイパーネットの板倉社長、光通信の重田社長・・・。

みんな根は熱血漢だったと思う。

世間から脚光を浴びた人間で、我が道を歩き続けているのは孫社長くらいか・・・。



ん?孫社長?



放送と通信の融合に関しての構想力、そして何より資金力はライブドアを遥かに凌駕する。

YAHOOを率いるこの社長も、その昔テレビ朝日の買収に動いたこともあるし、

今回の一件に関しても、幕をめくってみると、案外この人の顔がチラリチラリとしているかもしれない。



いずれにしても、堀江社長の今後はかなり厳しいものがあると思う。



どれくらい厳しいところに立っているかだって?






思い出してくれ。



































旧社名、オン・ザ・エッジ


つまり、土俵際ってことですな。




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