ドモホルンリンクルお試しセットの粗相を斬る(2005.09.10)



個人情報保護法が施行された影響か、

このところ、通販業者のメディア露出がかなり目立ってきた。

通販業者というのは、以前はいわゆる名簿屋から名簿を買い、

それを使ってDMを送ったり、テレホンセールスをしたりしていたのだが、

おそらく、名簿自体が手に入らなくなってきたのだろう。



俺が以前勤めていた某通販会社でも頻繁に名簿を買って営業していた。

名簿屋からオファーがあるとテストを行い、反応の良い名簿なら1件20円、悪い名簿なら5円くらいに買い叩く。

そうして色んな名簿を使っていくうちに、反応の良い顧客だけがフィルターにかかっていき、

それが積み重なっていくと本当に質の良いオリジナル名簿、いわゆるハウスリストが完成していく。



そういう作戦が展開できなくなってきたから、おそらくテレビや雑誌に頻繁に登場するようになったのだろう。



で、メディア露出の次の段階は、見込み客の収集と言うことになるのだが、

中でも非常に効果の高い方法が「お試しセット」の提供だ。

化粧品でも、サプリメントでも、500円〜1,000円程度の値段をつけて、

お試しセットを販売(提供)するケースが非常に多い。

無料にすると、反応数は多いのだが、いわゆるサンプルマニアが多数混入し、

反応率に限ってみると、あまり質の良い見込み客(名簿)の収集にはつながらない。



そんな有料お試しセットが幅を利かす中で、無料でお試しセットを提供する会社がある。



熊本に本社を置く200億円企業、「株式会社再春館製薬所」だ。

この通販会社もご多分に漏れず、昨今のメディア露出は著しいものがある。

座るだけが仕事の社員がいるとか、虚をつくCMが得意技なんだが、

最近俺の目を引いたCMは、お試しセットに関するもの。



何故、初めての方にはお試しセットを勧めるのか、

何故、お試しセットは無料なのかについてとつとつと語っている。

特に、無料である理由に関しては、



(ドモホルンリンクルが合うか、合わないかわからない)初めてのお客様から、

お金を頂くわけにはいかない・・・。




と、その真面目な企業姿勢を真剣に訴えているのだが・・・。



ドモホルンリンクルは7点セットなんだが、その販売価格を見てみると、

品名 価格
メイク落としジェル 5,000
洗顔石鹸 5,000
柔肌パック 12,000
保湿液 5,000
美白エキス 10,000
クリーム20 13,000
引きしめ乳液 5,000
合計 55,000

7本セットで購入すると、55,000円とかなりの高級品。

これでいくと、お試しセットはいくらになるのだろうか、と内容量比較をしようと思ったのだが、

残念ながら、お試しセットの内容量は記載がない。

執拗な質問攻めを覚悟の上で、お試しセットを申し込んでみようかと思ったのだが、

「よくある質問コーナーに」を読んでいると、そこに思わぬヒントが・・・。



販売用7点セットは約60日分。

これに対して、お試しセットは3日分。

単純に計算すると、

品名 価格
メイク落としジェル 250
洗顔石鹸 250
柔肌パック 600
保湿液 250
美白エキス 500
クリーム20 650
引きしめ乳液 250
合計 2,750

結構な値段をものをただでばら撒いているのだ。



仮に、お試し申込者から実際の購入者になる確率を10%とし、

また購入者の購入回数が1回だけで終わったとすると、

27,500円の費用を55,000円の売上で賄わなければならなくなる。



ま、化粧品の原材料費は定価の1〜3%だから、他の経費を考えても、

お試し客100人のうち、一人でも購入客につながれば十分利益は出るのだろう。

CM制作料に比べれば鼻くそくらいの金額にしかならないのかも知れないし、

先述した名簿購入費用(一人当たり20円〜)と大差ないのではないか?



それが化粧品業界の常識だから、俺も目くじら立てて言うつもりはないが、

「お客様のために・・・」という、取ってつけたようなCMのセリフが癪に障るのだ。



いかにも私たち企業側が、身銭を切ってお客様のために・・・というイメージ。

実は、既存客からの暴利で賄われているという構図。



見込み客にとっては
お試しセットでも、





既存客にとっては・・・。




























恨めしセットなのだ。



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