米国牛肉危険部位混入の粗相を斬る(2006.01.26)
米国牛肉に関する粗相を書くのは、実は今回で3回目となる。
1回目は、アメリカ狂牛病対策の粗相を斬る(2004年2月11日)
2回目が、牛肉迂回輸入の粗相を斬る(2004年11月21日)
蛇足ながら、過去の粗相を眺めていると、あのミラーマン植草教授も名古屋で現場復帰を果たしたり、と、
いろいろ感慨深いものもある。
さて、今回の危険部位混入の件、あまりにお粗末と言うか、アメリカらしいと言うべきか。
俺は過去の職歴の中で、二つの相反するアメリカ像を経験してきた。
ひとつは非常に緻密で厳格なアメリカ。
若いころ、原子炉を製造する会社に勤めていたのだが、設計・製造ノウハウは元々アメリカのものであり、
日本で原子炉を設計、製造するためには、アメリカ機械学会(ASME)の認定を受ける必要がある。
中でも原子炉に関するレギュレーションはNスタンプと言って、最もレベルが高い。
一時期はやったISOどころの話ではないのだ。
コードブックは幅10cm以上のファイルが数十冊あり、当然全部英語。
設計から製造、品質管理に至るまで、もう箸の上げ下ろしレベルのことがびっしり。
俺は生産技術エンジニアで現場にいたのだが、細かいことを言うと、
例えば原子炉製造に使えるダイヤルゲージ(測定具)ひとつとっても、原子炉用は限られていたし、保管場所も指定がある。
更正記録の追跡調査も、もちろん監査対象で、誰がいつ、どこで使ったか全て記録が要求される。
溶接棒を乾燥する電気炉の温度管理やら、ワーカーのスキル認定・更新・・・。
作業記録に至っては、本気で現場のオッサンに要求するとハンマーが飛んできそうになるほど。
もう、スタンプ認定の更新時期になると、工場の仕事はほとんどストップすると言っても過言ではない。
そしてもうひとつの姿は、ずさんでいい加減なアメリカ。
結婚してすぐの頃だったから、俺が28くらいの時、技術指導でアメリカに渡った。
テキサスの片田舎にある化学プラント工場で、日本人は俺一人。
事務所の連中はまぁまぁとしても、現場の管理のひどいこと。
日本では工場内で有機溶剤を使用する場合は、確か5m四方を赤いロープで張り巡らし、
その中では火気厳禁となる。
ところが、奴らときたら、赤いロープどころか・・・。

わしを殺す気か!?
現場がこんなレベルだから、到底良いものができるはずもなく。
厳密⇔いい加減の構図は、
上流社会⇔下流社会、あるいは管理レベル⇔現場レベル、
と言ったような表現をとっても良いのかも知れない。
で、今回の危険部位混入に関して言えば、どうも現場があまりにずさん過ぎたということのようだ。
いつもは何だかんだと屁理屈をつけて言い訳するのだが、ペン農務次官が来日して平謝りしたり・・・。
言い訳・・・と言っても、

こんな「背骨モリモリ」の肉で、言い訳などできるわけはないのだが、
調べた結果、政府の検査官が除去義務があることを知らなかったらしい。
この検査官、グラム数でも計っていたのだろうか?
あ、オバちゃん5グラム多いよ、とか・・・。
当初は現場がいい加減で・・・と思っていたのだが、
除去義務が徹底されていなかったと言うことになると、
やはり、国ぐるみで日本を舐めていたといことになるだろう。
だから政府関係者は対応で、あちこち必死に走り回っているのだが・・・。
ただ一人、カンザス州の講演会で、畜産業者を前に大見得を切った人がいるらしい。
アメリカ牛がいかに安全か、日本人に教えてやろうではないか!
と、熱弁を振るう、

狂牛病犠牲者に愛の手を。
日本人は寛大ですから。
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