男女雇用機会均等法の粗相を斬る(2006.05.22)
俺が大学を卒業して社会に出たのが1981年。
工場勤めということもあったと思うが、ほとんどの女性はお茶を汲んだり、
コピーをとったりする仕事を当たり前のようにこなしていた。
「君らOLじゃなくて、FL(ファクトリーレディ)なんよ」と、からかっていたのを思い出す。
その2年前には、国連で婦人差別撤廃条約が採択されていたため、
俗に言う識者の間では、職場での女性差別反対の声が沸き始めていた。
それでも実際の現場では、給湯室で女性が自分の上司をハゲだの、デブだの、チビだのと、
無邪気に笑い飛ばしながら、お菓子を頬張る光景が毎日のように見られていた。
ところが、女性の社会進出を声高に叫ぶ方たちが徐々に増え続け・・・。
1986年に、男女雇用機会均等法が施行。
1997年には、努力目標だった募集・採用面での差別が全面撤廃(改正法)。
これが99年に全面施行され、今では雇用機会の均等は当たり前のことになってきている。
先週の土曜日も、京都で4トントラックを運手する女性を見かけたし、
ブログで紹介した元看護師の女性社長も、トラックの運転で運転資金を稼いだそうだし、
広島の高級クラブにも元トラック運転手の女性がいる。
いわゆる「男性の職場」に、進出する女性が随分と増えたものだと思っていたら、
先日、この法律の思わぬ落とし穴を見つけてしまった。
新聞によると、
人材派遣会社の事務職の求人に応募したら、男性であることを理由に採用を断られたとして、
大阪府内の専門学校生(29)が大手派遣会社5社を相手取り、
大阪簡裁などに1社当たり15万~5万円の賠償を求めて提訴していたことが分かった。
というのだ。
通説からすると、逆差別とでも呼べば良いのだろうか。
この男性は派遣5社の求人募集を見て「英文書類ファイリング」「商社の事務職」などの求人に応募。
募集要項に性別の条件はなかったが、派遣会社から「派遣先が女性を希望している」、
「女性向けの仕事」などとして断られたらしい。
俺が言った法律の落とし穴とは、同法は、
性別を理由にした就職差別を禁止する指針を出しているが、
同法は女性差別をなくす趣旨で制定され、男性差別」を直接規制していない。
という点だ。
女性がいわゆる男性の職場に進出することは後押ししても、
その逆、つまり男性がいわゆる女性の職場に進出する道は険しい、ということだ。
これでは雇用機会均等法とは言えないと、判断したのか、
「性別を理由とする差別の禁止」という表現に替え、男性差別も明確に禁止する
ことが改正案として検討されているらしい。
今では、主夫という言葉もあるくらいだから、
女性→男性職場、男性→女性職場ということも自然の流れかも知れないが、
やはり「性別的に向いている職業」と言う考えが、敢然と立ちはだかっていると俺は思う。
俺は今まで、数多くの大企業、中小企業を訪問してきたが、
一度も男性の受付に遭遇したことがない。
会社の顔とも言われる受付に、好んでむさ苦しいオッサンをおく会社はないだろう。
先述した引用文の中で、「派遣先が女性を希望している」という例があったが、
男性ばかりの職場に、事務職として女性を求める、というのは、よ~ぉく理解できる話だ。
俺が東京でお世話になっている浜ちゃんの会社でも、隣の部屋に可愛い女性スタッフが入っただけで、
男性社員の目は、まるで女性漫画のように、星がキラキラ光りだす。
要するに最後は、スマートに断れるかどうか、ということに行き着いてしまうのだろう。
たとえば、現法でも既に、
「ウエイトレス」、「看護婦」など女性を表す職種の名称で募集すること
「女性歓迎」、「女性向きの職種」等の表示を行うこと
など、「対象を女性のみとすること」が、差別に当たるとされているが、
特に癒し系のサービス業においては、客の嗜好が雇用機会均等法の壁を易々と超えてしまうのだ。
だからと言って、簡単に入社希望者を断るわけにもいかず・・・。
男A:すみません、この「コンパニオン募集」を見て来たんですけど。
経営者:そう言われても、うちは特殊浴場で、客は男ばかりだし。
男A:それ、均等法違反ですよ!
経営者:そう言われても、うちのお客にモホはいないし、第一、混浴じゃないんだから。
男A:男だからって理由では、断れないんですよ。
経営者:・・・・・・・・・・・・。仕方ない、君にはこれをやってもらおう。
男A:何ですか?この・・・
マット洗いって?
経営者:君にはマットを洗ってもらうことにするから。
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