亀田興毅世界タイトル戦の粗相を斬る(2006.08.04)
亀田興毅の世界タイトル戦が行われた8月2日。
俺は師匠にあたる、ある御方から飲みに誘われていた。
この方、広島市内から少々遠いところにお住まいで、
この日はホテルを予約し、満を持しての飲み会だった。
ところが、夕方になって、
「○○君、ボクシングが済んでから出ておいでぇや」
日頃格闘技の話など、口の端にも上らない方からの発言からも、
日本国中がいかに熱狂の渦に巻き込まれていたかが想像できる。
家で寝転がってボクシングを見ていると、師匠から電話。
「いつになったら、始まるんかいね・・・」
時計を見ると8時半。
いつもの世界タイトル戦なら、7時半放送開始で、試合開始が45分頃。
俺も実は、かなりイラついていた。
「もう始まるでしょう」と答えたものの、試合が始まったのは9時頃だったと記憶している。
それまで俺たち視聴者は、延々下らんCMにつき合わされたわけだが、
亀田ファミリーを初めとする関係者には、スポンサー料がゴッポリ入ったに違いない。
亀田ファミリーは、おいしいファミリーなのである。
人口甘味料で作り上げられたおいしい~ぃ、ファミリー。
それをベロベロ舐めまわす、周囲の小汚い取り巻きたち。
どこから作り上げられ始めたのか、いつ頃からマスコミに取り上げられ始めたのか、俺は知らない。
星一徹のような親父と星飛雄馬みたいな息子が、周囲の罵詈雑言にめげずボクシングに打ち込む姿。
テレビでよく見る大家族もののエセドキュメントよりも、はるかに視聴者の興味を引きやすい。
案外、長期にわたる番組プロジェクトが組まれていた可能性もある。
俺は亀田ファミリーに対して、とやかく言うつもりはない。
あんな下品で知性のない人間が引退した後、社会に馴染めるのか、そんなことを言う人もいるが、
どこまでが天然で、どこからが人工的なものなのか、外野の人間に理解できるはずもなく。
案外家に帰れば、
「お父さん、今日の僕、どうだった?」
「うん、すごく良かったよ、興毅も大毅も。和毅もそろそろマスコミ慣れしておかないとね」
こんな会話が交わされているかも知れないのだ。
もう何から何まで、このファミリーにはチクロの味しかしないのだ。
もちろん、芯にはピュアな部分があるだろう。
自分が果たせなかった夢を息子たちに託す、あるいは、
嫁や近所から変人扱いされた憂き目を何とか晴らしたい・・・。
だが、それは安食堂の天丼の如く、中のエビが極めてスモール、なのだ。
試合後に下手糞な歌を歌ったり、
ロッキー4からパクったとしか思えないような、頓珍漢な練習法を取り入れたり。
亀田番のプロデューサー、作家、それに演出家が裏で操っている気がしてならない。
そして、極めつけは、タイトル戦の判定。
試合は間違いなく、ガチンコだろう。
だが判定結果の話になると、またしてもチクロの味がしてくるのだ。
リングアナが、二人目のジャッジ結果を「亀田」と言った時の本人の驚きの表情。
実力の差を一番痛感していたのは、おそらく本人だろう。
今回のルールは、いわゆるマストシステムと言う奴で、
たとえ僅差しかなくても、10-10のイーブンは許されず、必ずポイント差をつけるようになっている。
だから極端な話、2分59秒までお互いリングの中央で見つめあい、
最後の1秒で頭をポカンと殴ったら10-9になってしまう。
その一方で、ダウンしてもせいぜい10-8の差しかつかない。
要するに、小選挙区制に近いジャッジルールなのだ。
だから、ボコボコにやられたラウンドが3ラウンドあっても、
残りのラウンドで頭ポカリをやっていれば、勝負には勝つことができる。
そして、その頭ポカリの判定は、ジャッジの胸先三寸に近い。
早い話、
極めて操作しやすいルール、
と言っても良いだろう。
亀田が勝てば次も美味しい話にありつけるが、
負けると次は、今回のように美味しい話になる保証はない。
亀田ファミリーの知らないところで、取り巻き連中が画策した、と見ても何ら不思議な話ではない。
特にその昔、空前絶後の大スキャンダルを起こした協栄ジムがついているのだ。
対戦相手に毒入りオレンジを差し入れるような体質を持ったジムが、
ジャッジに袖の下を渡したとしても、何ら驚く話でもないだろう。
ボクシングは数少ないガチンコの格闘技のはずなんだが、
肝心の判定の部分がユルユルでは、その行く末も危ういかもしれない。
ガキの頃、新日をガチだと信じ、箸を止めて食い入るように見ていた猪木が、
実はガチンコが2試合しかなかったと言う事実を聞いたときのショック。
それに近いものが、今、去来している。
そんな銭ゲバフィーバーに巻き込まれた形になった、対戦相手のランダエタ選手。
自国ベネズエラは元より、日本国内でも彼に同情する声は多い。
しかし、ここにも甘~いチクロの匂いが漂ってくる。
帰国した彼は、案外周囲に、こう漏らしているかも知れないのだ。
一粒で二度美味しい。
次、勝てば良いんだから。
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