夕張市財政再建案の粗相を斬る(2006.11.22)



かつては炭鉱の町として栄え、

映画「幸福の黄色いハンカチ」やメロンでも知られる夕張市。

今年の6月に財政再建団体の申請、いわゆる倒産をしたことは記憶に新しいが、

つい先日、その財政再建案が市から提示された。



返済総額は市の標準財政規模の約8倍となる360億円。

これを20年かけて、毎年約18~19億円ずつ返済していく計画らしい。



一般的には、『入るを図って、出ずるを制す』とか言われるが、

悲しいことに、夕張市には「入る」がほとんどない。

石炭に代わる新しい「入る」を求めた結果、膨らみ続けた借金は、

結局「出ずるを制す」で、返済しなくてはならなくなったようだ。



まぁ、そのプランの凄まじいこと。



まず市職員の給与カット。

特別職が60%減、一般職は30%減で、手当て、退職金も見直しまたはカット。

職員数も10年度までに現行の260人を70人に減らすらしい。

これで生活破綻する職員も多数出てくるであろうが、

3セクや外郭団体に飛ばされ、即刻クビになる職員よりもまだマシであろう。



また「出ずるを制す」は、市民生活も直撃する。

市民税の引き上げ、下水道使用料の引き上げ、ゴミ処理料の引き上げ、保育料の引き上げ・・・。

テレビで紹介されていたが、年収400万程度の家庭で、年16万程度の負担増になるらしい。



これら以外にも、バスの老人無料パスの廃止、

図書館、美術館、映画館の廃止、各種不採算観光事業の廃止。

7校ある小学校を1校に統合、4校ある中学校も1校に統合。

養護老人ホームも廃止・・・。

現在47名いる要介護者は、一体どうすれば良いのだろうか。



ここまで酷い生活を強いられると、誰か助けてやれよ、とも思いたくなるのだが・・・。



市を指導する立場にある総務省の管大臣はこう語ったらしい。




















「もっと、削れる所はあるだろう・・・」



財政再建団体となった以上、政府の管理下におかれ、

今後は鉛筆1本、消しゴム一つ買うにしても、政府の許可が必要となる。



瀕死の状態となっている自治体は夕張以外にも多数あるわけで、

ここで甘い前例を作ると後々大変、というのはわからいないでもないのだが、

病院も縮小、介護も施設も撤廃、図書館も美術館も映画館もなく、学校に通うのも大変・・・。



これが健康で文化的な最低限の暮らし、と言えるだろうか?

国として、何とか救いの手を差し伸べてあげることは出来ないものだろうか?



そもそも、こういう状況に陥った原因、責任はどうなのか?と言うことを明確にしなければならないだろう。



炭鉱の町も時代の流れとともに閉山が相次ぎ、1990年三菱南大夕張炭鉱を最後に全て閉山。

市の人口も最盛期は12万人だったのが、今では1万3千人、町村レベルである。

市は石炭に代わる産業を、ということで観光に力を入れたのだが、

ほとんど失敗で売りに出る始末。



この間、金融機関から292億、地方債が187億、公営企業・3セクへの債務・損失補償が120億と借りまくり、

産炭法の支援で何とか生き延びていたのだが、これが2001年に失効、

さらに地方交付税の削減(23億円)などが加わり、ついに生命維持装置がはずされてしまった。



無計画な観光投資に、借金まみれの自転車操業と、一見、市の無能ぶりばかりが目に付くが、

果たしてそうだろうか?



国として、観光事業の経営支援的なバックアップは出来たであろうし、

借金が膨らむ過程で、
ご利用は計画的にみたいな歯止めをかけてやることも出来たであろう。

何より、閉山処理に600億近く自腹を切らざるを得なかった時に、

これは国のエネルギー政策の転換によるものだから、と市の一括買い上げくらいすべきではなかったのだろうか?

炭鉱の町はどこも悲惨な町ばかりで、地方に尻拭いをさせるのはあまりに厳しすぎる。



このように、国としていくらでも支援できる局面を迎えながら、

地方の独立、三位一体改革などとのたまい、挙句の果てに、


「もっと、削れる所はあるだろう・・・」


では、夕張市民は元より、市職員も憤懣やるかたないであろう。



「入るを図る」方法を模索するのは夕張市の役割であるが、

俺は鉛筆1本、消しゴム1個と「出ずる」方ばかり管理するのではなく、

再興に向けての施策を練るのも政府主導で行うべきが筋だと思う。



と、言ってもどうせ・・・。








A:夕張音頭を作ってCD発売してはどうでしょう?

B:いや、夕張メロンの次は、どう考えても夕張メロン饅頭だろう。

C:それより夕張国際ファンタスティック映画祭が有名なんだから、夕張を舞台にした映画を作りましょう。

A:どんな映画作るの?

C:中身はまだ考えてないんですが、四畳半襖の夕張とか。

D:下らんな。第一儲からんでしょう。それよりもテーマパークですよ。

一同:今時テーマパーク?あちこちで失敗してるし、金はかかるし。

D:いやいや、テーマ次第ではまだまだ行けますよ!





一同:どんなテーマ?




















ゴーストタウン



それならそのまま使えるし、他の地方への見せしめにもなるな。

良い、良いね、Dちゃん、それイタダキ。



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